顔面神経麻痺になってからの回復スピードは?

顔面神経麻痺になると、多くの方がまず気になるのが「どれくらいで治るのか」という点です。今回は、発症からの一般的な経過の流れ、回復が遅くなる方の特徴、そして現実的で安心できる回復の見通しについてまとめました。今まさに不安を抱えている方の参考になれば幸いです。

発症から回復までの一般的な流れ

顔面神経麻痺の経過は、重症度によって大きく変わります。
軽症の場合、発症から1〜2週間ほどで動きが戻り始め、1〜3ヶ月で日常生活で気にならない程度まで回復することが多いです。
一方で中等度〜重度の麻痺になると、神経のダメージが大きく、動きが戻り始めるまでに3〜6週間ほどかかる場合もあります。症状が重いほど、表情筋が硬くなりやすく、回復に時間を要します。

ただし、重症であっても神経が再生するスピードは1日1mm程度と決まっており、適切なケアを続けることでしっかり改善していきます。「重症=治らない」ではないため、焦らず回復の流れを見守ることが大切です。

回復が遅くなりやすい人の特徴

・発症から治療まで時間が空いてしまった
・強いストレスや睡眠不足が続いている
・表情筋が固まってしまっている
・過度なリハビリで筋肉を無理に動かしている
・高血圧や糖質調節など体質的な影響がある

特に多いのが“誤ったセルフケア”による回復の遅れです。強く動かそうとしたり、表情筋を無理に刺激すると、逆に後遺症のリスクが高まる場合もあります。

「いつ治るの?」に対する現実的で安心できる説明

顔面神経麻痺は、症状の戻り方に個人差が大きいため「確実に◯ヶ月」と断言することはできません。しかし、治療院として多くの患者さんを見てきた経験上、
・1〜2ヶ月:動きの戻りを実感しやすい時期
・3〜6ヶ月:表情の細かい動きが改善しやすい
・6ヶ月以降:後遺症対策や仕上げの期間
という流れを辿ることが多いです。

大切なのは、「回復が遅れているように見える期間」でも、神経の中では確実に修復が進んでいるという点です。途中で止まってしまったように感じても、必ず波を打ちながら前に進んでいきます。

鍼灸でできること

鍼灸では、顔面神経の炎症を抑え、神経の通り道や表情筋の柔軟性を整えることで、自然治癒力を最大限に引き出します。

また、表情筋の過緊張を防ぐことで、後遺症の予防にも役立ちます。病院の治療(ステロイド・抗ウイルス薬)と併用することで、より早期の改善を目指すことができ、実際に発症初期から来られる方は予後が良い傾向にあります。

まとめ

顔面神経麻痺の回復には個人差がありますが、適切なタイミングで適切なケアを行うことで、回復スピードは大きく変わります。「治るのかな…」という不安は当然ですが、神経は必ず修復していく力を持っています。

ひとりで悩まず、頼れる医療機関や当院にご相談くださいませ。

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