顔面神経麻痺の“はじめの1ヶ月”に起きていること

顔面神経麻痺とは、顔の筋肉を動かす神経が一時的に機能しにくくなる状態で、まぶたが閉じにくい・口角が上がらない・表情が作りにくいなどの症状が現れます。特に高度重症域・重症域の場合、見た目の変化が少ない最初の1ヶ月は不安が強くなりやすい時期です。

ですが「動かない=回復していない」わけではありません。体の内側では確実に再生が始まっています。

発症から1ヶ月の変化

最初の1〜2週間は、神経の炎症が強い時期で、症状が進んでいるように感じることがあります。これは多くの方が経験する“自然な経過”です。3〜4週目に入ると、筋肉の硬さが少し緩む、小さなピクつきが出る、左右差がわずかに軽減するなど、ごく細かなサインが現れ始めます。ただし、回復は波があり、良い日と悪い日を繰り返しながら進みます。一時的につっぱりや重さが増すこともありますが、多くは回復途中の揺り戻しです。

この時期にできること

まずは“無理をしないこと”が最重要です。強い表情運動や力任せのマッサージは、かえって筋肉の緊張を強め、後遺症のリスクを高める場合があります。動かすときは「ゆっくり・弱く・丁寧に」。また、目が閉じにくい方は乾燥対策が必須です。眼軟膏や保湿、外出時の保護などを毎日続けましょう。さらに、疲労・冷え・ストレスは症状を悪化させやすいため、生活リズムを整えることも大切です。必要に応じて鍼灸を併用すると、筋緊張の緩和や神経の働きを整えるサポートが期待できます。

まとめ

顔面神経麻痺の回復は、見た目の変化よりも“内側の変化”が先に起こります。ゆっくりでも、確実に回復は進んでいます。ひとりで抱え込まず、安心して進める方法を一緒に探していきましょう。現在、お身体で不安なことがあればいつでもご相談ください。

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